付録を気に入ってハーバリウムボールペンを自作してみた

近年、雑誌の付録は飽和状態である。
道を歩けばポーチに当たる、と言っても過言ではないくらい付録にポーチがついていた時代があった。

今でこそ既製品と同じようなクオリティのポーチがついているけれども、数年前は「入れたものの形がそのまま浮き出る魔法のポーチ」と化していたものである。

そしてポーチ時代が終わり、トートバッグにバトンタッチされた。
すれ違う人が全く同じ薄くて大きなトートバッグを持って闊歩する姿を見て、街を歩く何も知らない人たちはさぞかし「え?あれ流行ってるの?」という気持ちだったであろうと思う。

私も勿論闊歩する側で、家には山のように付録のトートバッグがある。付録のトートバッグがありすぎて、付録のトートバッグを付録のトートバッグに入れて収納している。もはや本末転倒である。

そして気づくのだ。

「トートバッグは飽きたな」

もれなくそれに気づいた出版社側が次に打ち出してきたもの、それはコスメである。
コスメに関しては「お高いブランドコスメを気軽に試したい派」と「雑誌の値段でいろんな種類の化粧品が入っているのにお得さを感じる派」があるように思う。
コスメに関しては大きく分けて2つの付録に分類される。ブランドの名前を冠したメイクパレット(リップ、チークと2つに使える!マスカラ付き!等)と、ブランドで実際に出している商品のサンプル増量版である。

私は中国製が肌に合わないので、後者の場合はよく買うことが多い。ただ、後者は付録としてつく可能性が少ない。
そして思うのだ。「何か目新しく、かわいくて実用的な付録はないかなぁ」


前置きが長くなりました。
というわけで、つい先日出版された付録に初のハーバリウムボールペンがついたわけである。
ボールペンは今まで付録としてついていたことがあったけれども、ジェットストリーム一択の私の心は揺れることはなかった。

だがしかし、ハーバリウムである。
ハーバリウムボールペン、である。
ハーバリウムって最近なんか流行ってるやつじゃね?と思い情報を見て即買い。
なるほど現品は可愛らしい。
赤い花で統一されたハーバリウムは、ボールペンの上でゆらゆらと揺れ動いて癒やしの効果も絶大である。

そして私は思ってしまった。「もっとどぎつい色味の、蜷川実花風の花のハーバリウムボールペンも欲しい」と。


まずは何を用意したらいいのかそこからである。
ハーバリウムボールペン 自作と検索すれば出てくる出てくる、キットがどのお店からも販売されている。大体一本1000円弱でオイルと花とボールペンのセットになっている。ちなみに付録だった雑誌は800円である。雑誌安くね?

とりあえず評価の良さそうなお店でポチる。
届いたものはバラバラになったボールペンと透明の筒、オイルと花である。

(花の色が薄い…)

そうなのである。私はあまり気にしないで買ってしまったが、花はランダムで選べないところだったため、私のペン軸の色に合わせたあわーい色味をつけてくださったことには感謝したい。が、私の好きなカラーは蜷川実花カラーである。

とりあえずペンを寝かせつつ、色々なお店を巡ってみるも、所詮私はただポチるだけの女、全くドライフラワーを見つけられなかった。

結局キットの花で納得させ、いざ作成することにする。

まずはオイルを少し筒に垂らし、ドライフラワーを少量入れる。ピンセットで慎重に入れる。オイルの中でドライフラワーがゆっくりとオイルを吸収して花開く。思ったより色味が出た、これはいいぞ。私はどんどん花とオイルを追加していく。

そして満杯になり、蓋を締める。
蓋を締める作業はこのペンを作る中でかなり難しいらしく、レビューでも締まらないという言葉を多く見ていたため、すんなりと吸い込まれる蓋に拍子抜けした次の瞬間、シャンパンのコルクよろしくスポーンと飛んでいった。
唖然である。小さいパーツかつ、私の部屋が汚いためどこに行ったか必死に探し見つける。信じられないことにこれを三回位繰り返し、ようやくすんなりと蓋が閉じた。さすが先人のいうことは聞くべきである。

接着剤をたっぷりと垂らし、これが乾いたら今度はペン先と接着しなくてはならない。
実はこの工程も「ペン先と結合しない」とレビューで大荒れであった。

不安である。
もう一つ不安なのは、乾かしている間このハーバリウム部分がぶっ倒れないかという心配である。

完成するまでもう少しだが、結論として。

雑誌のハーバリウムボールペンは買い(この苦労を考えたら割ときれいな完成品を手に入れてまずは癒やされて見てほしい)
そして、割と作る作業はドキドキハラハラしつつも楽しかった。

年末に、いい思い出ができたと思う。